コラム

地盤改良工事とは?家を建てる前に知っておきたい基礎

地盤改良工事とは、住宅を安全に建てるために、建物を支える地盤の状態を改善する工事のことです。
新築を計画する際、地盤調査の結果によっては「地盤改良が必要です」と説明を受けるケースがあります。

地盤改良工事は、建物そのものを強くする工事ではありません。
建物が本来の性能を発揮できるよう、足元を整えるための工事という位置づけになります。

なぜ地盤改良工事が必要になるのか

地盤が弱い状態のまま建物を建てると、不同沈下と呼ばれる不具合が起こる可能性があります。
これは、建物の一部だけが沈み、傾きやひび割れが発生する現象です。

どれだけ耐震性の高い建物でも、地盤が不安定であれば性能を十分に発揮できません。
そのため、地盤の状態に応じて改良工事が必要と判断されるのです。

地盤改良工事が必要なケース・不要なケース

地盤改良工事が必要かどうかは、必ず地盤調査の結果に基づいて判断されます。
地盤が強固で、建物を支える力が十分にある場合は、改良工事が不要となることもあります。

一方で、軟弱層が厚く分布している土地や、過去に田畑・沼地だった場所では、改良が必要になる可能性が高くなります。


地盤改良工事の主な種類

地盤改良工事には複数の工法があり、地盤の状態や建物の規模によって使い分けられます。

表層改良工法

表層改良工法は、地表から比較的浅い範囲の地盤が弱い場合に採用される工法です。
地面を一定の深さまで掘削し、セメント系固化材を混ぜて地盤を強化します。

戸建住宅など、比較的小規模な建物で多く使われる工法で、工期が短く、費用も抑えやすい点が特徴です。

柱状改良工法

柱状改良工法は、軟弱な地盤の下にある支持層まで、柱状の改良体を造成する工法です。
建物の荷重を点で支えるイメージになります。

一般的な戸建住宅で広く採用されており、表層改良よりも対応できる地盤条件が広いのが特徴です。

鋼管杭工法

鋼管杭工法は、鋼製の杭を地中深く打ち込み、強固な支持地盤まで到達させる工法です。
支持層が深い場合や、より高い強度が求められるケースで採用されます。

耐久性が高い一方で、他の工法に比べて費用が高くなりやすい点には注意が必要です。


地盤改良工事にかかる費用相場

地盤改良工事の費用は、工法・改良範囲・地盤条件によって大きく変わります。

工法別の費用目安

表層改良工法は、比較的費用を抑えやすく、数十万円程度が目安になることが多いです。
柱状改良工法では、改良本数や深さによって費用が増え、100万円前後になるケースもあります。

鋼管杭工法は、材料費や施工手間がかかるため、さらに高額になる傾向があります。

費用が変動する要因

費用に影響する大きな要因は、軟弱地盤の深さや広がりです。
また、建物の大きさや形状、敷地条件によっても必要な改良範囲が変わります。

同じ工法でも、土地条件が違えば費用は大きく異なるため、「相場=自分の費用」とは限らない点を理解しておくことが重要です。


地盤改良工事の期間はどれくらい?

地盤改良工事の工期は、数日から1週間程度が一般的です。

工法別のおおよその工期

表層改良工法は、施工範囲が浅いため、1〜2日程度で完了するケースが多く見られます。
柱状改良工法や鋼管杭工法では、数日かかることが一般的です。

工期が延びるケース

雨天が続く場合や、想定以上に地盤状況が悪かった場合には、工期が延びることがあります。
そのため、建築全体のスケジュールには、ある程度の余裕を持たせておくことが大切です。


地盤改良工事の費用が「思ったより高い」と感じる理由

地盤改良工事は、建物本体工事とは別に発生するため、割高に感じやすい費用です。

見積もりが建物契約後に出るケース

地盤調査は、建築計画がある程度進んでから行われることが多く、
その結果、地盤改良費用が「後から追加」されたように感じられます。

これが、「想定外の出費」と感じる大きな理由です。

削れない「安全のための費用」

地盤は、建物完成後にやり直すことができません。
だからこそ、地盤改良工事はコスト調整の対象になりにくく、安全のために必要な費用として位置づけられます。


地盤改良工事と保証制度の関係

地盤改良工事は、多くの場合、地盤保証制度とセットで考えられます。

地盤保証の考え方

地盤保証は、不同沈下が発生した場合の補修費用などをカバーするためのものです。
地盤調査・改良工事を適切に行うことで、保証を受けられる仕組みになっています。

保証を受けるために必要なこと

保証を受けるためには、調査結果や工事内容の記録が重要です。
また、指定された工法や施工方法を守ることが条件になる場合もあります。


地盤改良工事で後悔しないために確認すべきポイント

地盤改良工事は専門性が高くて内容が分かりにくい分、事前確認が重要です。

見積もり内容のチェックポイント

どの工法が選ばれているのか、その理由が説明されているかを確認しましょう。
また、改良範囲や本数などが明確に記載されているかも重要なポイントです。

納得できる説明を受けることの重要性

「なぜこの工法なのか」「他の選択肢はないのか」といった疑問を、遠慮せずに確認することが大切です。
納得したうえで進めることで、後悔のない家づくりにつながります。


地盤改良工事は「安心して住むための土台」

地盤改良工事は完成後に見えなくなる部分ですが、住宅の安全性を支える非常に重要な工事です。
費用や相場だけで判断するのではなく、目的と必要性を理解することが納得につながります。

自分の土地条件では何が必要なのかを把握し、安心して長く住める家づくりを進めていきましょう。

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