ペアローンはやめた方がいい?離婚・連帯債務のリスクや後悔しない判断ポイントを解説|住宅ローン控除との関係も
2025.10.31

マイホーム購入にあたって、「ペアローン」という選択肢に注目するご夫婦が増えています。しかし一方で「ペアローンはやめた方がいいのでは?」「後悔するかもしれない」と不安を感じる方も多いのではないでしょうか。
特に、離婚や収入変動といったライフイベントによって、ペアローンが思わぬリスクにつながることもあります。本記事では、ペアローンの仕組みから連帯債務との違い、住宅ローン控除との関係、向いている人・後悔する人の特徴まで、わかりやすく解説します。
ペアローンとは?仕組みと基本的な特徴
ペアローンとは、夫婦がそれぞれ別々に住宅ローンを組む契約方法です。例えば、1つの住宅を購入するために、夫が2,000万円、妻が1,500万円というように、2本のローンを契約するイメージです。
一見すると収入を合算できる点で魅力的に思えますが、「連帯債務」や「連帯保証」との違いを理解することが大切です。
- 連帯債務:1つの住宅ローンを2人で借りて、どちらも同等に返済義務を持つ
- 連帯保証:主債務者が返済できなくなったときに、保証人が肩代わりする
ペアローンではそれぞれが主債務者となるため、住宅ローン控除が夫婦それぞれに適用できるというメリットがあります。共働き家庭にとっては、控除の枠を最大限活かせる制度といえるでしょう。
ペアローンのデメリットとは?後悔しないために知っておくべき注意点
ペアローンには確かにメリットもありますが、リスクやデメリットも多く存在します。後悔しないためには、契約前に以下の点をよく理解しておく必要があります。
離婚時にローン返済が複雑化するリスク
ペアローンで最も大きなリスクが「離婚」です。住宅の所有権が夫婦共有の場合、売却や持ち分の譲渡には相互の同意が必要となり、調整が非常に困難になるケースがあります。住宅を手放す、あるいは片方が住み続ける場合でも、ローンの一本化や名義変更ができないなど、問題が複雑化します。
諸費用が2倍になる
ペアローンでは契約が2本になるため、保証料や事務手数料、司法書士への報酬などの初期費用も2人分必要です。トータルで見ると、連帯債務よりも費用が高くなる可能性がある点に注意しましょう。
一方が働けなくなった場合の返済リスク
ペアローンでは、どちらかが働けなくなった場合でも、もう一方が自動的に代わりに返済することはできません。個々のローンに対して支払い義務があるため、柔軟性が低く、返済計画が崩れやすくなるリスクも。
連帯債務とペアローンの違いとは?混同しやすい仕組みを比較
混同されがちな「連帯債務」と「ペアローン」は、以下のように異なる特徴を持っています。
| 比較項目 | ペアローン | 連帯債務 |
| 契約本数 | 2本(夫婦それぞれ) | 1本(共有の契約) |
| 控除の適用 | 夫婦それぞれに住宅ローン控除適用 | 合計額に対し1人に控除適用 |
| 返済義務 | 各自のローンに対してのみ責任 | 両者が全額に対して責任 |
| 諸費用 | 2本分必要(費用増) | 1本分で済む(費用減) |
このように、控除面で有利なのがペアローン、柔軟性や費用面で有利なのが連帯債務と言えます。
ペアローンの住宅ローン控除はお得?メリットも押さえておく
ペアローンの最大の魅力は、夫婦それぞれに住宅ローン控除が適用される点です。控除の枠が2倍になることで、最大で年間80万円(40万円×2人)までの減税が受けられる可能性があります。
また、借入額が大きい場合にも、ペアローンを利用することで控除の総額を最大化できます。たとえば、6,000万円の住宅を建てる場合に夫婦で3,000万円ずつ借りるようなケースでは、控除の恩恵を最大限受けやすい仕組みといえます。
ただし、控除の恩恵を十分に受けるには、一定の条件(長期優良住宅・耐震等級・断熱性能など)を満たす住宅である必要があります。
ペアローンで後悔する人の共通点とは?
実際にペアローンを契約して後悔するケースも少なくありません。その多くに共通しているのが、「将来を見越した設計ができていなかった」ことです。
- 収入減や子育て・介護によって片方が退職し、返済が苦しくなった
- 離婚で住宅の処分に関してトラブルになった
- 売却や名義変更がスムーズにできず、資産としての機能を果たさなかった
こうした後悔は、契約時に「人生の変化」を想定せず、短期的な金利や控除に目を奪われた結果ともいえます。
ペアローンに向いている人/やめた方がいい人の判断基準
ペアローンは誰にとっても良い仕組みではありません。向き不向きを見極めることが、後悔しない選択につながります。
ペアローンに向いている人
- 共働きで安定した収入が継続的に見込める夫婦
- 借入額が大きく、住宅ローン控除を最大限活用したい人
- 長期的に共有資産として家を保有する意志がある人
やめた方がいい人
- 出産・転職・介護など、将来的に収入の変化が予測される人
- 将来離婚の可能性やリスクを現実的に想定している人
- 諸費用の増加をできる限り抑えたい人
重要なのは、「目先のメリット」だけでなく「長期的な人生設計」にペアローンがフィットするかを見極めることです。
平林建築工房の家づくりとペアローンの関係性とは?
平林建築工房では、「高性能住宅×長期的視点に立った家づくり」を行っています。例えば、同社が標準仕様とする断熱等性能等級6相当・長期優良住宅・耐震等級3の家は、住宅ローン控除の適用条件にもマッチしやすく、ペアローン活用時にも有利な住宅です。
また、家づくりにおいてはパッシブ設計や自然素材を活かした自由設計に加え、設計士と直接対話できる環境も整っており、ローンや資金計画の不安にも丁寧に寄り添ってくれます。
「家は建てて終わりではなく、人生を共にする空間」と捉え、ローン計画を含めた暮らし全体をサポートしてくれる姿勢こそが、同社の大きな魅力です。
まとめ|ペアローンのデメリットは“知って選ぶ”ことで回避できる
ペアローンは適した条件を満たせば、住宅ローン控除の恩恵を大きく受けられる有利な仕組みです。ただし、離婚や収入変動といった将来のリスクに目を向けずに契約すると、後悔する結果になりかねません。
後悔を避けるためには、「自分たちに本当に向いているか」を冷静に見極めることが必要です。
そして、家の性能・設計・暮らし方・資金計画までをトータルに相談できる建築会社と出会うことが、もっとも重要な第一歩です。兵庫県で家づくりを考えるなら、高性能住宅と丁寧な対話を大切にする平林建築工房で、納得できる家づくりと資金計画を始めてみませんか。
